卒業まで残り1週間。


先輩との関係は驚くほど良好だった。


だけど流石に「加恋先輩とどうなりましたか?」と尋ねることはできず2人の関係は謎のまま。


噂によると、先輩と加恋先輩は一昨日駅前のカフェでいい感じだったらしい。

全てが、良い方向に向かっている。





「……三宅先輩と付き合ってるの?」


休み時間、自動販売機で何を飲もうか迷っていると後ろからそう声をかけられた。

「浪川くん……!なんの話?」


「最近、仲良さそうだから」


傍から見ても私達の関係は良好に見えるのか。

「付き合ってないよ」

「……なんで?」


「なんでって……。そもそも先輩は私のことなんて好きじゃないし。噂では加恋先輩といい感じなんだって。あ、加恋先輩って知ってる?先輩の同級生だった人で昨年までは、」

「ヘラヘラ、ペラペラ」

「……え?」

浪川くんの呪文のような言葉にボタンへと伸ばしていた手が止まる。