先輩とお兄ちゃんが私にそのことを伝えなかったのはきっと、これ以上私が自分のことを責めることがないように。 周りが「事故にあった先輩に別れを告げるなんて最低」と声を揃えて非難する中、私は加恋先輩を責めることなんてできなかった。 だって、全ての責任は私にあるから。 あの事故さえなければ、先輩の隣には今も変わらず加恋先輩がいたんだ。 そもそも、加恋先輩がいるとわかっていながらチョコを渡そうなんてしなければ───。 私が先輩から奪ったのはサッカーだけじゃない。 先輩の“青春”そのものだ。