そもそも不知火は滅多に特攻服は着ない。

 どうしてそんな(おきて)が出来たのか理由は分からない。俺が総長になる前の先代の時も、掟により数える程しか着なかった。先代もそのまた先々代もその前も、どうやらそうだったらしい。

 もしかしたら真っ白なのが汚れるのが嫌だったのかもしれないとか思ってた。汚れると目立つから、落とすの大変なんだこれ。

 その後、俺が総長を引き継いだ時にもその掟は引き継がれた。それでその理由がやっと分かった。


 ――特攻服を着るのは命を懸けて戦う時のみ。


 そして今が、その時だった。