幹部室のドアは珍しく閉まっている。いつもの様に筒抜けにしていい話ではないからと言って、暑いけど弘人が閉めてしまった。
部屋の中には不知火の幹部全員と、助けを求めてきた雲竜のヤツ二人。弘人の彼女、奈央は下の階で他の奴らと一緒だ。
暑い……
野郎六人が部屋に密集してるんだ、当たり前だ。かろうじてオンボロ扇風機は回っているが、そんな温い風ではなんの役にもたたない。みんなの顔に汗が滲む。
皆が汗を流しながら難しい顔をしている原因は、それだけではないのだが。
――雲竜が襲撃された。
そして総長亜賀座が拉致された。敵は、以前雲竜にいた仲間だという。
「――元仲間?! どうしてそんな奴らが襲ってきたんだ」
驚いて思わず大きな声がでてしまった。隣に座ってた弘人に無言で肘で突かれるくらいには。
「……そいつらは、亜賀座総長が族から追放した奴らなんです」
雲竜の二人の片方が、ばつが悪そうにそう答えた。
亜賀座が総長になってから、族内部の改革が行われたそうだ。初代総長からダラダラと続いていた年功序列を打ち砕き、個人の能力を重視した組織を作った。
部屋の中には不知火の幹部全員と、助けを求めてきた雲竜のヤツ二人。弘人の彼女、奈央は下の階で他の奴らと一緒だ。
暑い……
野郎六人が部屋に密集してるんだ、当たり前だ。かろうじてオンボロ扇風機は回っているが、そんな温い風ではなんの役にもたたない。みんなの顔に汗が滲む。
皆が汗を流しながら難しい顔をしている原因は、それだけではないのだが。
――雲竜が襲撃された。
そして総長亜賀座が拉致された。敵は、以前雲竜にいた仲間だという。
「――元仲間?! どうしてそんな奴らが襲ってきたんだ」
驚いて思わず大きな声がでてしまった。隣に座ってた弘人に無言で肘で突かれるくらいには。
「……そいつらは、亜賀座総長が族から追放した奴らなんです」
雲竜の二人の片方が、ばつが悪そうにそう答えた。
亜賀座が総長になってから、族内部の改革が行われたそうだ。初代総長からダラダラと続いていた年功序列を打ち砕き、個人の能力を重視した組織を作った。