小さい頃に、約束してくれたんだ。


『藍乃は俺が絶対守ってやる! だから、何かあったら俺を呼べ!』


 凪は覚えてるかな。

 まだ本当に二人とも小さかった頃。遊びに行く凪の後を追った炎天下で、倒れて救急車で病院に運ばれた。

 病室で目が覚めると、瞳いっぱいに涙を溜めた凪の姿。それで、言ってくれたんだ、守ってやるって。

 それから約束通り、本当に凪は私を守り続けてくれた。


 凪は覚えているかな。

 あの病室で、私も約束した事……


『――じゃあ、凪もわたしを呼んでね!』


 今までずっと、守られてばかりだった。

 でも、凪が大変な時は私が凪を守ってあげたい。

 凪が大切にしている不知火を、守りたいんだ……