没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~


白に銀糸の花柄を刺?した豪華で可愛らしい夜会服もダイヤモンドのティアラも、オデットによく似合っている。

優雅にワルツのステップも踏んでいて、こうして見るとオデットは貴族なのだとつくづく感じた。

ローストビーフを食べきったロイは面白くない顔をして、ダンスに興じるふたりからプイと視線を外した。

(私だって寂しいわよ。オデットが遠くに行ってしまった気分で)

オデットは王太子妃教育を受けなければならなかったので、三か月ほど前に王城に住まいを移し、カルダタンの勤めも辞めた。

忙しいだろうに無理して時間を作って時々会いに来てくれるが、親友の笑顔を毎日見られないのは寂しかった。

そんな自分の気持ちは隠して、ルネはロイのために明るくからかう。

「オデットに頼んでリリアちゃんも招待してもらえばよかったね。そうすればあんたもウキウキだったろうし、私も子守りをしなくてすんだのに」

「なっ……リリアとはそういう関係じゃないから」

ロイの顔がトマトのように色づいた。

以前、イヤリングを修理してくれたお礼にと言って、ロイにシュークリームを渡しにきた女の子。