没落令嬢は今日も王太子の溺愛に気づかない~下町の聖女と呼ばれてますが、私はただの鑑定士です!~

インペラ宰相と顔を見合わせて微笑んだサラは、誇らしげに胸を張っている。

けれども色白の顔は一層色を失い、冷や汗もかいているようだ。

心なしか呼吸も苦しげで、頑張って立っているように見えた。

かと思ったら、そのほっそりとした体がふらついて倒れそうになる。

「危ない!」

オデットは慌ててステージに駆け上がり、片膝をついたサラの体を支えた。

「サラ様、そのブレスレットをすぐに外してください」

銀のブレスレットに触れた途端、オデットは十三個の水晶にかけられた呪いをはっきりと感じ取った。

これは間違いなく魔具で、癒しの魔力を与える代償は使用者の生命エネルギーだ。

サラがこれまでどれだけの人を治療したのかわからないが、立てなくなるほどにダメージが蓄積しているところをみると、これ以上の使用には体が耐えられないだろう。

「サラ様は、ご自分の命を削って治療していたのですね……」

どうしてそんなことをと聞かなくても、オデットはわかっている。

ブレスレットの水晶は呪いの他に、彼女の想いも伝えてきた。

認めてほしい、愛されたい……という切実な想いを。