左手が青白くぼんやりと光ったかと思ったら、その光が患部を覆うように広がって、スッと引いた後にはすっかり傷が消えていた。
「おおっ!」とホール全体がどよめいて、貴族たちが興奮気味に話しだす。
「なんと素晴らしいお力なの。わたくし、感動して涙が出てきましたわ」
「聖女様がいらっしゃれば病院は不要でしょうな。不老長寿も夢ではない」
「サラ様はお年頃でいらっしゃる。我が息子をご紹介してもいいだろうか?」
「なにを仰いますの? 席順をご覧になればサラ様がどちらへ嫁がれるかおわかりでしょう。王太子妃争いが一気に収束いたしますわね。よかったこと」
讃辞に加えサラを王太子妃に望む声も聞こえてきて、オデットは胸を痛めた。
ステージのそばに座っている国王が上機嫌で立ち上がり、貴族たちに声をかける。
「聖女の力はまさに神のごとし。諸君、起立して拍手を。癒しのお力を見せてくれたサラ、いや、サラ様を皆で褒めたたえようではないか」
全員が起立して盛大な拍手が沸く中で、オデットはハラハラしていた。
(サラ様の顔色がすごく悪いわ。大丈夫かしら?)



