「結婚の許しが得られず残念だ。だが諦めない。時間はかかるかもしれないけど、必ず父上を説得するから待っていてほしい」
結婚への想いの強さを感じさせる約束に、オデットは頬を染める。
「はい」と笑顔で答えたが、その顔がまた曇る。
「国王陛下は三十年も苦しんでいらっしゃるのですね。お可哀想です」
兄の形見を首から下げ、後悔にさいなまれる長き月日の苦しみはどれほどのものか。
国を統べる者として落ち込んでいる顔も見せられず、今もひとり自責の念と静かに闘う国王の心をオデットは心配していた。
「わからず屋と怒ってもいいところを同情してくれるのか。オデットは優しいな」
イチョウの葉がハラリとオデットの髪に落ち、ジェラールが足を止めて取ってくれた。
その葉を指で遊ばせながら嘆息する。
「生まれる前の出来事だから詳しくは知らないが、父上と伯父上は仲のいい兄弟だったそうだ。きっと周囲の貴族たちが後継問題を利用して、他家を蹴落とそうとしたりのし上がろうとしたりしたんだろう。その結果、対立関係になってしまった。兄弟で憎しみ合わねばならないとは気の毒だ」
結婚への想いの強さを感じさせる約束に、オデットは頬を染める。
「はい」と笑顔で答えたが、その顔がまた曇る。
「国王陛下は三十年も苦しんでいらっしゃるのですね。お可哀想です」
兄の形見を首から下げ、後悔にさいなまれる長き月日の苦しみはどれほどのものか。
国を統べる者として落ち込んでいる顔も見せられず、今もひとり自責の念と静かに闘う国王の心をオデットは心配していた。
「わからず屋と怒ってもいいところを同情してくれるのか。オデットは優しいな」
イチョウの葉がハラリとオデットの髪に落ち、ジェラールが足を止めて取ってくれた。
その葉を指で遊ばせながら嘆息する。
「生まれる前の出来事だから詳しくは知らないが、父上と伯父上は仲のいい兄弟だったそうだ。きっと周囲の貴族たちが後継問題を利用して、他家を蹴落とそうとしたりのし上がろうとしたりしたんだろう。その結果、対立関係になってしまった。兄弟で憎しみ合わねばならないとは気の毒だ」



