「たしかにこれは母上の形見で、故郷は運河のある街だ。だが、故郷に関しては調べればわかること。そなたが感じたのはそれだけか?」
オデットは難しい顔をする。
もうひとり別の人物の感情を読み取ってはいるけれど、伝えていいものか迷う。
けれども「どうした?」と国王に促され、沈痛な面持ちで話しだす。
「その指輪は国王陛下のお母様が、レオポルド殿下に譲られたものだと思います」
これから結婚する女性の喜びや不安よりも、若い男性の強烈な苦しみの感情が強く浸み込んだ指輪だ。
悩み続けた結果、この指輪の持ち主は自死を選んだと思われる。
「レオポルド殿下は自ら水に入り亡くなられた。溺れているような苦しみを感じました」
国王はじっとオデットを見据え、ジェラールは目を見開いている。
「伯父上は東洋貿易のための新航路を視察に向かう途中、海難事故で亡くなられたはずでは?」
「王家の威信に関わるゆえ、そう公表するしかなかったのだ」
つらそうに顔をしかめた国王は、チェーンを首にかけて指輪を服の内側にしまった。
オデットは難しい顔をする。
もうひとり別の人物の感情を読み取ってはいるけれど、伝えていいものか迷う。
けれども「どうした?」と国王に促され、沈痛な面持ちで話しだす。
「その指輪は国王陛下のお母様が、レオポルド殿下に譲られたものだと思います」
これから結婚する女性の喜びや不安よりも、若い男性の強烈な苦しみの感情が強く浸み込んだ指輪だ。
悩み続けた結果、この指輪の持ち主は自死を選んだと思われる。
「レオポルド殿下は自ら水に入り亡くなられた。溺れているような苦しみを感じました」
国王はじっとオデットを見据え、ジェラールは目を見開いている。
「伯父上は東洋貿易のための新航路を視察に向かう途中、海難事故で亡くなられたはずでは?」
「王家の威信に関わるゆえ、そう公表するしかなかったのだ」
つらそうに顔をしかめた国王は、チェーンを首にかけて指輪を服の内側にしまった。



