サヨは不思議な力を持っていて水晶玉を使い人々にかけられた呪いを解いて歩き、ついには魔女を倒してグラデシア王国を平和へと導いた。
感謝した国王はサヨに聖女の称号を与え、王太子と結婚させる。
サヨは末永く幸せに暮らしたという、武勇伝にシンデレラストーリーが加わったような童話だ。
「聖女サヨは実在したんですか?」
驚いたのはオデットだけでなく、ジェラールもだ。
大事そうに水晶玉に手を触れたバロ司教がふたりに教えてくれる。
「魔女というのは疫病のこと。異世界から召喚されたサヨが、癒しの力で疫病の蔓延を食い止めた。三百年ほど前の話で史実でございます」
「三百年前の疫病なら知っています。ただ聖女が関与していたのは初耳です」
ジェラールの返事にバロ司教が寂しそうな顔をする。
「我々聖職者の間では、今でも聖女サヨへの畏敬の念が受け継がれております。ただそれ以外ではすっかり風化してしまった。我々の力不足を痛感します。聖女への感謝を忘れないようにと童話を作った先祖も、天国で嘆いておられるかもしれませんな」
感謝した国王はサヨに聖女の称号を与え、王太子と結婚させる。
サヨは末永く幸せに暮らしたという、武勇伝にシンデレラストーリーが加わったような童話だ。
「聖女サヨは実在したんですか?」
驚いたのはオデットだけでなく、ジェラールもだ。
大事そうに水晶玉に手を触れたバロ司教がふたりに教えてくれる。
「魔女というのは疫病のこと。異世界から召喚されたサヨが、癒しの力で疫病の蔓延を食い止めた。三百年ほど前の話で史実でございます」
「三百年前の疫病なら知っています。ただ聖女が関与していたのは初耳です」
ジェラールの返事にバロ司教が寂しそうな顔をする。
「我々聖職者の間では、今でも聖女サヨへの畏敬の念が受け継がれております。ただそれ以外ではすっかり風化してしまった。我々の力不足を痛感します。聖女への感謝を忘れないようにと童話を作った先祖も、天国で嘆いておられるかもしれませんな」



