目を開けたオデットは、感嘆の息をついた。
「水晶玉の持ち主は若い女性です。かなり昔の方で、もしかすると三百年以上前の時代かもしれません。大勢の人への奉仕精神を感じたんですけど、聖職者でしょうか。この水晶玉に向けて民の幸せを祈り続けていたようです」
「やはり、そうじゃったか」
バロ司教は唸るように頷いており、心当たりがある様子。
「これは聖女様の水晶玉。盗まれないよう、彼女が亡き後に誰かが隠したのじゃろう」
「聖女様って、童話に出てくるあの聖女様ですか?」
オデットは目を瞬かせた。
『昔々、グラデシア王国に悪い魔女が現れました』
そのような書き出しの童話は、全国民が知っていると言っても過言ではない。
魔女は人々に呪いをかけて病気にし、多くの人が犠牲となった。
国王は国中の聖職者に命じ、救いを求めて神に祈らせる。
すると天が輝いて、一筋の光が地上に降り注いだ。
その光が消えると、見たことのない変わった服装の黒髪の乙女が立っていた。
異世界から召喚されて来たという彼女の名は、サヨ。
「水晶玉の持ち主は若い女性です。かなり昔の方で、もしかすると三百年以上前の時代かもしれません。大勢の人への奉仕精神を感じたんですけど、聖職者でしょうか。この水晶玉に向けて民の幸せを祈り続けていたようです」
「やはり、そうじゃったか」
バロ司教は唸るように頷いており、心当たりがある様子。
「これは聖女様の水晶玉。盗まれないよう、彼女が亡き後に誰かが隠したのじゃろう」
「聖女様って、童話に出てくるあの聖女様ですか?」
オデットは目を瞬かせた。
『昔々、グラデシア王国に悪い魔女が現れました』
そのような書き出しの童話は、全国民が知っていると言っても過言ではない。
魔女は人々に呪いをかけて病気にし、多くの人が犠牲となった。
国王は国中の聖職者に命じ、救いを求めて神に祈らせる。
すると天が輝いて、一筋の光が地上に降り注いだ。
その光が消えると、見たことのない変わった服装の黒髪の乙女が立っていた。
異世界から召喚されて来たという彼女の名は、サヨ。



