「バロ司教、お久しぶりです。エメラルドのブローチの件ではお世話になりました。あれはオデットに鑑定してもらって呪いつきだとわかったのです」
「そうでしたか」
「司教からオデットへの頼みごとに興味を持ちましたので、ついてきました。ご一緒してもよろしいですか?」
「もちろん構いません。さあ、どうぞ中へ」
来館者は記名する決まりということで、出された帳簿にサインをしたふたりは長い廊下を進む。
天井が高くひっそりとしていて、靴音が響いた。
ここはいわばバックヤードで教会関係者の執務室や私室、倉庫などに繋がっている。
司教が足を止めたのは倉庫の前で、ドアを開けて中に入ると、大小様々な木箱や紙箱、布で包まれた置物、書棚や祭事用具が整理整頓されて納められていた。
オデットがここに通されたのは初めてで、好奇心が膨らんで胸が高鳴りだす。
(使われていない部屋の埃の匂いが好きなのって変かしら? 貴重な宝石が眠っていそうでワクワクするのよ。早く鑑定したいわ!)
室内の窓は雨戸が閉められて暗いので、司教が開けにいき採光を取り入れた。
そして窓辺の近くに置かれている木箱の蓋を開けた。
「そうでしたか」
「司教からオデットへの頼みごとに興味を持ちましたので、ついてきました。ご一緒してもよろしいですか?」
「もちろん構いません。さあ、どうぞ中へ」
来館者は記名する決まりということで、出された帳簿にサインをしたふたりは長い廊下を進む。
天井が高くひっそりとしていて、靴音が響いた。
ここはいわばバックヤードで教会関係者の執務室や私室、倉庫などに繋がっている。
司教が足を止めたのは倉庫の前で、ドアを開けて中に入ると、大小様々な木箱や紙箱、布で包まれた置物、書棚や祭事用具が整理整頓されて納められていた。
オデットがここに通されたのは初めてで、好奇心が膨らんで胸が高鳴りだす。
(使われていない部屋の埃の匂いが好きなのって変かしら? 貴重な宝石が眠っていそうでワクワクするのよ。早く鑑定したいわ!)
室内の窓は雨戸が閉められて暗いので、司教が開けにいき採光を取り入れた。
そして窓辺の近くに置かれている木箱の蓋を開けた。



