学校を出ると来た道を歩き、乗ってきたバスにまた乗ることになった。
「どこまで行くんですか?」
「二つ先までかな、バスから降りて徒歩十分くらいのとこに住むとこがある」
そう言った吉良さんは、まさかの定期を取り出すと見せた。暴走族がなんで定期持ってんだろうとか色々考えたが、ツッコんだらキリがなくなりそうだったので何も言わないことにした。
そんなことを考えているともう着くらしく【降ります】ボタンを押した。財布から二百円を取り出して準備をしていればバスが止まりお金を出して降りた。
「ここから離れるなよ、あぶねーから」
「……え? あ、はい」
バスから降りてからなんか治安が悪そうな場所を歩く。なんか不良がいそうな雰囲気だなぁって思っていればとある一軒家に着く。
「まず荷物置いてこ」
「うん……お邪魔します」
一軒家に入ると、吉良さんは迷うことなく二階に上がり空き部屋に私の荷物を置いた。
「ありがと」
お礼を言えば「いや、いいよ」なんて普通に言った。まぁ、きっと条件の合う姫が見つかってよかったと思ってるんだろう……多分。