教室に入ると、調理台が四つほど並んでいてここは調理室だということがわかる。
「言わなくてもわかると思うけど、ここ家庭科室。で、試験は料理をすること」
「料理……何を作るんですか?」
私がそう聞くと、冷蔵庫にある食材を使ってと言われる。何を作ってもいいってことね。
それなら一年以上はご飯作ってたから得意だ。
「あの、質問いいですか? 何で家庭科室なんですか?」
「キッチンが近かったからね。まぁ、何か作って。お腹すいたー」
「はぁ、そうですか。わかりました」
彼に返事をすると、もう一度冷蔵庫を開ける。男の子って何が好きなのかなと考えながら、やっぱりガッツリ系かなと思い、冷蔵庫からひき肉や玉ねぎとにんじん、豆腐、卵を取り出した。
まず、玉ねぎをにんじんをみじん切る。コンロの上にフライパンを置いて油を垂らすと、そこに玉ねぎとにんじんを入れて炒め始める。
飴色に変わったら、お皿にうつして粗熱をとる。それからボウルにひき肉と豆腐、卵、牛乳に浸したパン粉を入れて玉ねぎたちを投入すると手で捏ねる。それを形成して、フライパンで焼く。
「あとはソース作って、目玉焼き。ご飯は彼が使っていいって言っていたしこれを使わせてもらおう」
どんぶりにご飯を盛ると、ハンバーグを乗せてからソースをかけて目玉焼きを乗せて野菜を乗せて完成……っと。