「ここだから、入るよ」


 私が止まっているからか吉良さんは私の手首を掴んでドンドンと倉庫の入り口に向かって行った。入るとなんかいっぱいいるカラーな頭の男の子たちがいる。


「え、総長が女の子連れてる……」
「やばい、やばいって!」
「ナオさんは何も言ってなかったよな」


 そんな驚きとかの声が聞こえるけどそんなの関係なしに吉良さんは進んでいく。倉庫の奥にある階段に行くと「気をつけて」と吉良さんに言われてゆっくりと階段を登った。その先には二つの部屋があってその手前にある部屋のドアを吉良さんは開けた。


「おかえり、鼓魅……って、え!」

「ただいま」

「あ、鼓魅くん。って、え……女の子が、いる」

「あぁ。この子は結衣ちゃん。ここの姫にしていーい?」


 めちゃくちゃ軽く言う吉良さんに、この部屋にいる人は唖然。そりゃそうだよね、初めて会ったやつがリーダーから今日から姫にしまーすなんて言われたら驚くわ。