ママの手料理 Ⅲ

食堂は大きなホールの造りになっていて、天井は普通の部屋の天井の何倍も高いところにあって、そこからはいくつもの小さなシャンデリアが吊るされている。


壁は汚れひとつない綺麗な白色で、突き当たりに設けられた大きな窓の向こうに広がるのは例の人口湖。


それは夜だからかライトアップされていて、噴水が七色の光を纏いながら空へと昇る様子は、見る者の目を引いた。


夕飯はもう用意されているらしく、私達はいつの間にか現れた林堂さんに導かれて食堂の中央付近にある8人がけの席ーとても座り心地の良いふかふかな椅子だーに座った。


他の宿泊客も同じ時間帯に来るように言われているのか、段々と食堂内が混雑と共に明るい雰囲気へと様変わりしていく。



夕飯は野菜と肉の盛り合わせのようなもので、その切り方や配置からプロのシェフが作ったのが容易に伝わってきた。


アスパラガスは花のつぼみ、ブロッコリーは地面から生える花、トマトはまるで果物の様な瑞々しさがあり、美味しそうな匂いのするお肉と相まって一種のアートのように思えてくる。


(すっご…)


思わず感嘆の溜め息を漏らすと、


「これはすげぇな」


いつの間にか隣に座っていた琥珀が、小さく頷いた。