ママの手料理 Ⅲ

「航海は?」


「ラッシュガード着るなら良いって言いそう。あいつの古傷酷いから」


「それもそうか…銀ちゃんは?」


「んーどうだろ、行っても砂で遊んでそうなイメージ」


「えっ、何それ」


銀ちゃんに関しては、誘う誘わない以前に先入観に満ち溢れた答えが返ってきて、私は思わず吹き出した。



と、しばらくその話をして楽しんでいると。


「もう6時半だね…食堂に行った方がいいかもしれないよ」


仁さんが、私達の話をやんわりと中断させた。


「え、もうそんな時間!?」


慌てて外を見るといつの間にか日が暮れていて、そう言えば何時間も何も食べていなかった事を思い出す。


「じゃあ早く行こ!…あれ、俺ら今からジェームズに久しぶりに会えんのかな?」


腕を鳴らしながら立ち上がった大也が、自然な流れで仁さんに尋ねた。


不意をつかれた最年長は、驚いた様に目を瞬かせ。


「…そうだね、会えると思うよ」


大也を見ながら、優しい笑みを浮かべた。



私達が食堂に着いた直後、他のメンバーも続々と姿を現し。


大也が再度私の部屋のベランダからジャンプし、部屋に鍵をかけて寝ていた銀ちゃんを叩き起こしてまた戻って来るというハプニングはあったものの、全員揃った所でようやく私達は食堂へと足を踏み入れた。