心配になって彼の肩に手を乗せると、
「あーいや、大丈夫だ」
銀ちゃんはゆっくりと私の方を向き、ふっと息を吐きながら笑った。
「でも、さっきから具合悪そうだよ」
「車ん中で寝たから治った」
「…なら良いけど」
彼の返事に納得がいかなかったものの、彼がそう言うなら仕方がない、と私は頷いた。
ありがとな、と呟いた彼は、
「…けど、」
と、目の前に広がる光り輝くロビーを見ながら言葉を続けた。
「何か、この景色チカチカすんな……慣れねぇ、」
それもそうだ、まるで大金持ちになった気分がして私も慣れない。
「本当にね」
同調すると、彼は緩く巻かれた長い前髪の奥にある目をこちらに向け、また口角を上げた。
この時、私は彼の言った“慣れねぇ”という言葉を履き違えていた事に気が付かなかった。
「まず、僕達に与えられた部屋は15階にある2人部屋で、全部で4つあるらしい。一旦荷物を置いたら夜まで自由行動にしようと思う。今日は初日だし作戦会議もしない予定だから、7時に食堂に間に合えば何をしてても構わない。……それで、」
それからすぐ、チェックインを終えた私達は湊さんに連れられてエレベーターで15階に来ていた。
「あーいや、大丈夫だ」
銀ちゃんはゆっくりと私の方を向き、ふっと息を吐きながら笑った。
「でも、さっきから具合悪そうだよ」
「車ん中で寝たから治った」
「…なら良いけど」
彼の返事に納得がいかなかったものの、彼がそう言うなら仕方がない、と私は頷いた。
ありがとな、と呟いた彼は、
「…けど、」
と、目の前に広がる光り輝くロビーを見ながら言葉を続けた。
「何か、この景色チカチカすんな……慣れねぇ、」
それもそうだ、まるで大金持ちになった気分がして私も慣れない。
「本当にね」
同調すると、彼は緩く巻かれた長い前髪の奥にある目をこちらに向け、また口角を上げた。
この時、私は彼の言った“慣れねぇ”という言葉を履き違えていた事に気が付かなかった。
「まず、僕達に与えられた部屋は15階にある2人部屋で、全部で4つあるらしい。一旦荷物を置いたら夜まで自由行動にしようと思う。今日は初日だし作戦会議もしない予定だから、7時に食堂に間に合えば何をしてても構わない。……それで、」
それからすぐ、チェックインを終えた私達は湊さんに連れられてエレベーターで15階に来ていた。



