ママの手料理 Ⅲ

カチャリ、と湊パパの銃が嫌な音を立てても尚、


「俺頭悪いからさ、今の説明だって矛盾ばっかな気がしてよく分かんなかったわけ。そもそも、湊が望まれない子なのに怪盗を辞めさせようとするのは何でなの?俺らが家族呼びするのだって、別に俺らの勝手だしどうでも良くない?」


と、現役ホストはその赤がこびり付いた髪を揺らしながら正論を投げつけていく。


「そうじゃなくてもさ、こっちは仁が死んで琥珀が怪我して死ぬ程イラついてんのね。…てか、俺防弾チョッキ着てるから死なないし」


小首を傾げて目を細めた彼は、湊パパを見下すように笑いながらゆっくりと歩みを進める。


「ちょっと大也、何するの!?」


大也が湊パパに殴り掛かると悟った私は、目を見開いて悲鳴にも近い声をあげる。


そんな事をしたら、仁さんだけでなく大也も死んでしまう。


だって、相手の銃弾は防弾チョッキでさえ貫通する程の威力を持っているのだから。



しかし。


湊パパの真正面に立った大也は、自分よりも少し背の高いその人を見上げて嫌らしい笑みを浮かべた後。


その身体をひょいと折り曲げ、膝立ちになって座り込んでいた湊さんの肩に手を置いたのである。


「湊、自分の父親に言ってやんな。…“ 今まで、俺達は俺達だけで道を作ってきた。今更邪魔をしてくる奴は容赦しない”って」