ママの手料理 Ⅲ

途中でまた涙が込み上げてきたらしく、ふーっ、ふーっ、と必死で息を整えた大也は、感情的になった事などまるで感じさせない気迫と共に再び湊パパを睨みつけた。





「ティアラを盗んで、壱と仁を死なせた子分を育てあげたお前だろ」





(えっ…)


その瞬間、部屋の空気が一変した。


あんなにどんよりしていた雰囲気が切り替わり、怪盗mirage全員が過去最大級とも言える殺気を身体中から出している。


その余りの威力と迫力に、此処に留まる事を身体が全力で拒んでいるのを感じた。



「先程言いかけてた事、ちゃっちゃと言ってもらっても良いですか?それが終わり次第、問答無用で殺しますので。紫苑さんも助けないといけませんしね」


1番に口火を切った航海の口調と目つきからは、最早サイコパスの域を超えたおぞましいものを感じる。


それは覚醒という言葉で片付けられるような次元ではなく、まるで世界中の極悪人が航海という1人の人間に吸収されたような、余りの怖さに思わず土下座をしてしまいそうな。


その気迫に完全に圧倒された私の身体の震えは、止まることを知らない。



「…そうですね。此処で無駄な時間を過ごすのももったいないですから、簡潔に話してしまいましょうか。出来の悪い、息子の事を」



あなた方には私を殺せませんがね。