ママの手料理 Ⅲ

「ああ、そういえば背の高い男性がもう1人居たような…。養子縁組でジェームズの子供になった方でしたよね?その方は今、どちらに?」


大也と琥珀、そして航海の反応を見た湊パパが、にやにや笑いながら口を開いた。



彼は、この状況を完全に面白がっている。


もう、サイコパス以外の何者でもない。



「…黙れ、」


その直後、喉の奥から絞り出した様な大也の声は酷く掠れていて。


涙を零さないように数秒上を向いた彼は、震える息を吐いて再度口を開いた。




「………壱と仁は、死んだ」




「えっ、」



その声は、果たして誰の口から漏れたものなのか。


今まで俯いていた湊さんが勢い良く顔を上げ、銀ちゃんの身体から溢れ出ていた黒のオーラは消え失せ、


「そんな、……」


“死”という言葉を聞いた瞬間から既に涙腺が崩壊していた私の視界は、瞬時に涙のベールにつつまれた。



「やだ、…私、そんなの聞きたかったわけじゃなくて、」


今更、何を撤回して欲しいと思っているのだろう。


大也の声は確かに耳に入ってきて、ただそれを信じたくなくて、



だって私達は、必ず生きて再会するって約束したんだから。