ママの手料理 Ⅲ

その辺りからようやく事の重大さが分かってきたのか、大也は顔を強ばらせて自分の傷口を覗き込んだものの、


「おええぇまじか……」


すぐに顔を逸らしてえずいた。



「貫通してるのか?」


その後、傷口をじっと観察していた情報屋に向かって琥珀が質問すると。


「…いや、中にある。弾が見えるから取れると思う」


幸か不幸か、そんな答えが返ってきて。


痛そうだな、と思ったのは琥珀だけではないらしく、


「え、今!?」


クレーン車のカゴの中で処置を受けなければならない大也は、顔を引き攣らせて再度叫んだ。


しかし、中に食い込んだままの弾は取るに越したことはない。


「今やるしかない。これは応急処置だから、盗みが終わったら病院行ってね」


伊織は有無を言わせない態度でそう言い切り、大也は観念したように大きく息を吐いた。


その隣では、血や傷口を見ても吐き気を一切催さない猛者、航海が、のほほんとした顔でコーラに口をつけていた。



伊織が再び取り出したあの救急箱の中から新たに出てきたものは、ピンセットやら医者が使いそうなメス等、こうなる事を見越したとしか思えないものばかり。


(おいおい…)


航海から渡されたアイスコーヒーを飲んで喉に潤いを与えつつ、琥珀は1人胸にごちり、


「…伊織って、医療の知識あったっけ…?」