「ごめ、…大也、」
「撃たれてるから話さないで!…ねえ、何で血が止まらないの!?」
仁が掠れた声で俺の名前を呼んだけれど、正直その時の俺は気が動転していて良い返事をする余裕もなくて。
止血するものなんて何も持っていなくて、慌てて自分の着ていたジャケットを脱いで傷口に押し当てる。
仁の顔は既に顔面蒼白で、一刻を争う状態なのは一目で理解出来た。
(どうしよう、どうしたらいい?俺は今何をしたらいい!?)
仁は自分が大嫌いな奴で、今までに何百回も本気で死んでくれと思った相手だ。
それなのに、そのはずなのに。
「大丈夫だから…!」
彼が生きる事を心から望んでいる自分がいるのは、何故なのだろう。
多量出血のせいで仁は浅い呼吸を繰り返していて、たまにヒューヒューという聞きたくもない嫌な音が混ざっている。
「死なないで、お願いだから…、」
ジャケットで患部をきつく抑えているというのに、全く血が止まる気配はない。
ああ駄目だ、涙が出てきて視界がぼやける。
仁の顔も身体の輪郭も、全てがぼやけて何も分からないよ。
「大也、……ごめ、んね…」
その時、辛そうな呼吸を繰り返していた仁が口を開いた。
「…喋らないで。傷口がもっと、…開くからっ、」
「撃たれてるから話さないで!…ねえ、何で血が止まらないの!?」
仁が掠れた声で俺の名前を呼んだけれど、正直その時の俺は気が動転していて良い返事をする余裕もなくて。
止血するものなんて何も持っていなくて、慌てて自分の着ていたジャケットを脱いで傷口に押し当てる。
仁の顔は既に顔面蒼白で、一刻を争う状態なのは一目で理解出来た。
(どうしよう、どうしたらいい?俺は今何をしたらいい!?)
仁は自分が大嫌いな奴で、今までに何百回も本気で死んでくれと思った相手だ。
それなのに、そのはずなのに。
「大丈夫だから…!」
彼が生きる事を心から望んでいる自分がいるのは、何故なのだろう。
多量出血のせいで仁は浅い呼吸を繰り返していて、たまにヒューヒューという聞きたくもない嫌な音が混ざっている。
「死なないで、お願いだから…、」
ジャケットで患部をきつく抑えているというのに、全く血が止まる気配はない。
ああ駄目だ、涙が出てきて視界がぼやける。
仁の顔も身体の輪郭も、全てがぼやけて何も分からないよ。
「大也、……ごめ、んね…」
その時、辛そうな呼吸を繰り返していた仁が口を開いた。
「…喋らないで。傷口がもっと、…開くからっ、」



