ママの手料理 Ⅲ

「だから何!?」


俺に何かを言いたいとか言っていたくせに、何故そんな顔でこちらを見てくるのか。


「俺の事そんなに嫌いなの!?何だよもう!」


理解不能だわ!、と地団駄を踏んだ俺は、ぷいっと顔を逸らした。



「…え、」


そして、俺が見たものは、


「…な、何で生きてるの!?しかも何でこっちに銃向けてるの!?ちょっと!?」


少し前に遠くに吹き飛ばしたはずの女性が、四つん這いでミルクティー色の髪を振り乱した格好のまま、こちらに銃口を向けているという最悪な光景だった。



「壱、戻ってきて!早く!」


敵の姿を見たら最後、仁はその場から動けなくなる程の恐怖心に支配される。


仁の様子がおかしかったのはこの女を見たからか…、と納得した俺は、女を睨み付けたまま彼の方へと後退していった。


その時、



バァンッ……



女が持つ銃の先が光り、俺の足のすぐ近くに銃弾がめり込んだ。



「ぎゃあああぁあ!何で撃ってくるの!?当たったら死んでたじゃんっ!怖いってばもう!」


ありったけの声でそう叫び散らかした俺は、仁の前に立ち塞がってカチリと銃を構えた。


「油断してる時にそういう事しないで!勘弁してよ!ゾンビかと思ってびびったじゃん!」