ママの手料理 Ⅲ

「そうだ、俺とあいつは正真正銘血が繋がってる!元はフェニックスに居たのによ、母国に帰りたいとか言ってあいつだけ帰国したんだ。OASISの幹部にまでのし上がって、随分楽しそうにしてると思ったら、」


男は空いた手で拳銃の形を作り、それを自分の頭に押し付けて撃たれる真似をした。


「最後の最後で誰かさんに情が移って、バーンだわ!兄貴が死ぬ気で守った奴の顔を1度拝んでみたいと思ってたが、まさかそっちからやって来てくれるなんてなぁ!俺ら運命じゃねえ?」


彼が話す度にさらさらと揺れる艶のある緑髪は、何処かガンマや伊織を彷彿とさせる。


「………」


どう返答していいか分からず、私は口ごもった。


目の前の男の兄が死んだ原因を作ったのは紛れもなく私だから、復讐の為に殺されてもおかしくない。


まさに、私達がOASISに攻め込んだ理由のように。



「…という事で殺す!じゃあな、お嬢ちゃん」


そして、運命の瞬間はすぐに訪れた。


鋭い光を宿した目で私の事を見やった男は、吐き気がする程にゆっくりと引き金に手を当てた。



(やだやだやだやだ!)


何かを言う余裕も助けを求める余裕もない私は、ただ痛みを紛らわしたくて固く固く目を瞑った。







「バァーン!」