「ん?…もしかしてお前、2兆円の女?」
緑髪の敵が、3年前を思い出すあの言葉を口にした。
「へっ…?」
私に2兆円の保険金がかけられていたのは3年前の事で、それを知っていたのは日本三大怪盗だけだと思っていたのに。
久しぶりに聞いたその呼び名に反応した私は、ぽかんと口を開けた。
「その反応から察するに、お前が例の女だなー?今お前を殺したら2兆円ゲット出来んのかねー?」
そんな私を見て可笑しそうに声をあげて笑った男は、リズミカルに階段を降りてきた。
(来ないで!何!?)
余りの恐怖に耐え切れなくなった私は壁に身体がぶつかるまで後退りをし、
「…2兆円は、手に入らないです…。もう、解決しちゃったので、」
丁寧に、彼の誤解を解いた。
「……はあ?」
私の言葉を聞いた彼は目を見開き、
「何だとお前、ふざけんじゃねえよ!ムカつくから殺す!銃とナイフと爆弾、どれが好みだ!?」
光の速さで目の前まで移動してきたかと思うと、私の胸に拳銃を押し当てて大声で喚いた。
「嫌っ、……!」
撃たれる事を覚悟した私は、手で顔を覆って小さく悲鳴をあげる。
(死ぬの嫌だ!何でいつもこんな目に…!)



