ママの手料理 Ⅲ

階段移動で疲れ切っている自分達を待ち構えているのは、感電を免れた大量の敵。


やたらと図体の大きなアメリカ人男達は、不敵に笑って英語で何やら話しながらこちらに近付いてくる。


「日本語話せよ何言ってるか分かんねーだろうが!」


仁と同様、英語がからきし駄目な壱は相手が英語を話している事に対して憤慨し始めた。


「そのツラ見てるとムカついてきた、ぶっ殺す!」


「何て理不尽な…」


すかさず湊が突っ込んだものの、


「黙りやがれクソリーダー、お前も闘えよ!」


鬼よりも恐ろしい双眸に睨まれ、湊は苦笑いをして頷く以外他になかった。


全関節をバキバキと鳴らした元不良は、よだれが滴りそうな勢いで獲物を見据えて真っ黒な笑顔を浮かべる。


「素手でいこうぜ、お前らには凶器を使うほどの価値なんぞないわ」


そんな壱の殺気を捉えたフェニックス側の男女達は、物怖じすることなく壱に向かって飛び掛かり。



「生ぬるい攻撃してんじゃねーよ」


最初の男に飛び掛かった壱は、すかさずその男を背負い投げしてその腹を蹴り上げる。


何処にあったのか、椅子を持ち上げてこちらへ向かってくる女に対しては、不敵に笑って椅子ごとその女を壁に吹き飛ばして動かなくさせる。