ママの手料理 Ⅲ

そしてそれから先も、私達は敵を見つけては射撃をするという機械的行為を繰り返していた。


笑美ちゃんの射撃力は異様に高く、百発百中で的確に敵の胸元へと弾を撃ち込んでいる。


けれど湊さんから殺さないように言われている為、若干急所は外しているようだ。


私はそんな彼女から集中を途切れさせないように、必死になってドローンを飛ばし続けて。


ドローンの操縦の仕方を銀ちゃんから習ったのは僅か数日前なのに、ぶっつけ本番でどこにもぶつけずに操縦出来ている自分を褒め称えたい。


そして、冷房がガンガンに効いた車内では、


「もって後2時間…やべーな、伊織は何処に居るんだ…!?」


と、銀ちゃんがこちらを見向きもせずに魔のハッキングと闘いを続けていた。




琥珀が銀ちゃんの頼みで伊織に電話をしたあの日、中森さんに頼んでチケットを渡してしまった私はてっきり怒られると思っていた。


しかも怪盗mirageはただでさえ伊織の話題を出さないし、自分のせいで今回の渡米も無駄になると覚悟までしていたのに。


『良くやった紫苑、これで伊織は此処に来れるよ!』


あの時私を包み込んだのは、湊さんの褒め言葉と頭を撫で回すその大きな手で。