それを伝えると、大也は自身の前髪をモデル並みの動作でかきあげ。
「…えへへ、知ってた!やっぱり紫苑ちゃん最高!好き!」
照れ隠しなのか泣きたいのを堪えているのか、不格好に口を広げて笑顔を作ってくれた。
そのまま、ぺちゃくちゃと他愛もない話をしながら歩いていると。
「あれ?あの2人、銀ちゃんと航海?」
トイレの近くの椅子に座って話し込んでいる2人の男の姿が目に入った。
銀ちゃんは昼食途中でトイレか何かで席を外したきり戻ってこなくて、てっきり部屋に帰ってしまったのかと思っていた。
その直後に航海がトイレに行くと席を立ったけれどこちらも戻ってこなくて、お腹を壊したのかと思ったのだけれど、あの2人の様子を見る限り心配しなくてよさそ、う……
「…2人共能面みたいな顔してない?めっちゃ顔死んでるじゃん」
2人の存在に気付いた大也が立ち止まり、しげしげと彼らの様子を眺めた後に感想を漏らした。
航海はいつもの様に無表情、銀ちゃんに関しては長い前髪のせいで何処を見ているのか分からないけれど、2人の放つオーラがどす黒いものだというのは一瞬で分かった。
話し掛けるな、近付くな、放っておけ。
声にならない声が聞こえてきた気がして、私はそちらへ近付こうとしている大也の袖を引っ張った。
「…えへへ、知ってた!やっぱり紫苑ちゃん最高!好き!」
照れ隠しなのか泣きたいのを堪えているのか、不格好に口を広げて笑顔を作ってくれた。
そのまま、ぺちゃくちゃと他愛もない話をしながら歩いていると。
「あれ?あの2人、銀ちゃんと航海?」
トイレの近くの椅子に座って話し込んでいる2人の男の姿が目に入った。
銀ちゃんは昼食途中でトイレか何かで席を外したきり戻ってこなくて、てっきり部屋に帰ってしまったのかと思っていた。
その直後に航海がトイレに行くと席を立ったけれどこちらも戻ってこなくて、お腹を壊したのかと思ったのだけれど、あの2人の様子を見る限り心配しなくてよさそ、う……
「…2人共能面みたいな顔してない?めっちゃ顔死んでるじゃん」
2人の存在に気付いた大也が立ち止まり、しげしげと彼らの様子を眺めた後に感想を漏らした。
航海はいつもの様に無表情、銀ちゃんに関しては長い前髪のせいで何処を見ているのか分からないけれど、2人の放つオーラがどす黒いものだというのは一瞬で分かった。
話し掛けるな、近付くな、放っておけ。
声にならない声が聞こえてきた気がして、私はそちらへ近付こうとしている大也の袖を引っ張った。



