ママの手料理 Ⅲ

それに立ち向かうには、普通の人が思いつかないような角度からのアイデアが必要だから。



「なるほど…まあ、大也さんならそれで倒せそうな気がします」


俺の一連の説明を聞いたサイコパスは、何処か小馬鹿にしているような含みのある台詞を投げてきた。


「…それ、褒めてるよね?」


「断じて貶してないです」


まあ、俺がこんなお子様じみた事をするより、航海が初めからさっさと覚醒してくれれば済む話なのである。


「航海は?キャリーケースに銃を沢山入れてたみたいだけど、それで闘うの?」


重くなった水鉄砲を再びバッグにしまった俺は、湖の周りを歩き始めながら隣に居るサングラス男に尋ねた。


俺もミラーサングラスを掛けているから、傍から見たら俺達は完全に観光客だ。


「そうですね、両手に銃です」


(いや、両手に花じゃないんだから…しかも物騒だし)


隣から聞こえる抑揚のない声は、俺の周りをふわふわと漂って消えていく。


「それと、リュックに植木バサミを入れてきたのでそれも使います」


「なるほど…どこ切る予定?」


そう言えばそんなのも持ってたっけ、と思いつつ、俺は軽いノリで尋ねた。


「腕、でしょうか…切り落とせなくても、深手を負わせられます」


もう、植木バサミは航海の手にかかると本来の目的を失ってしまうらしい。