決して恥ずかしいわけではない。元々、特別恥ずかしがり屋でもない。ただ、逃げることのできない現実に心が重くなっているだけだ。香音人に対して緊張することはしなくなったものの、やはり好きでもない人と結婚したいとは思えない。
(まあ、それを言ったところで何も変わらないんだけど……)
美桜は、サラダを口に入れながら思った。
両親に見送られた後、屋敷を侵入者から守るために作られた門を美桜と香音人は通る。門を通ると、目の前に香音人の持っている高級車が止まっていた。
「さあ、どうぞ」
香音人が助手席のドアを開け、美桜はお礼を言いながら中へと入る。車内に乗り込むと、ふわりと花のいい香りが広がった。
「いい匂いですね」
「車用香水ってどんなものか興味があってね、買ってみたんだ。この匂い、美桜が咲きそうだなと思って」
香音人がそう返した後、しばらく沈黙が続く。だが、香音人が「デートしたいな」と言ったことで美桜も口を開かざるを得なくなった。
(まあ、それを言ったところで何も変わらないんだけど……)
美桜は、サラダを口に入れながら思った。
両親に見送られた後、屋敷を侵入者から守るために作られた門を美桜と香音人は通る。門を通ると、目の前に香音人の持っている高級車が止まっていた。
「さあ、どうぞ」
香音人が助手席のドアを開け、美桜はお礼を言いながら中へと入る。車内に乗り込むと、ふわりと花のいい香りが広がった。
「いい匂いですね」
「車用香水ってどんなものか興味があってね、買ってみたんだ。この匂い、美桜が咲きそうだなと思って」
香音人がそう返した後、しばらく沈黙が続く。だが、香音人が「デートしたいな」と言ったことで美桜も口を開かざるを得なくなった。


