希未さんからラインにメッセージが来た。昌希さんが優さんに元カノ襲撃事件を話したことで心配してくれていた。
せっかくだから、オンライン夕食をすることになり、茶の間のテーブルにはめんたいのり弁と茄子味噌炒め弁当とお茶を準備した。
『彩春さん大丈夫だった?怪我をしたって聞いたけど、てか、あんのメンヘラ女め』
こんな風に私の味方になってくれて怒ってくれる。我慢しなくていいんだ。
「うん、打撲とかすり傷だけだったから。でも、般若の面とか見たら思い出すかも」
『被害届をだすのか?』
「それなんだが、午前中に弁護士から連絡があって示談にして欲しいって」
『開業医だっけ?妻が犯罪者とかまずいもんな』
「ただ、彩春が許せないというなら被害届を出してきちんと償わせることも出来るよ」
彼女がした事、して来たことは許せないけど
「部屋をきちんと直してくれることと、彼女が二度と私たちの前に現れないと確約出来るなら示談でもかまわない、むしろ長引く方が嫌だし」
『えー、あの女、刑務所にぶち込んでやりなよ』
「正直に言うと、彼女に楽をさせたいと思わないんだけど、でもいいやって感じかな」
化粧をきちんとして綺麗にしていた人が、髪を振り乱して暴れるほど旦那さんや昌希に自分の存在を誇示したかったのかもしれない。
「でも、しっかりと払うものは払ってほしい」
全員が頷いた。
『マサも弁護士を立てるんだろ?』
「ああ、伯父の会社の顧問弁護士に話をして傷害やストーカーに強い弁護士を紹介してもらおうと思う。ただ、その前に向こうの旦那と話をするつもりだ」
「旦那さんと?」
「向こうの弁護士が、俺と彼女が不倫をしていての今回の状況になったと言ってきたから、奥さんのストーカーに悩まされていた事の証拠を警察に話すと伝えたら、掌を返してきたよ」
「『何それ!!!』」
希未さんと声がシンクロした。
「『なんか悔しい』」
またもやシンクロする。
『相馬さんと希未ってめちゃ相性がいいのな』
優さんの言葉にみんなで笑った。
リモート食事会が終わって、牛乳をたっぷり入れたコーヒーを二人で飲む。
「今度の日曜日だけど、用事がないなら一緒に祖母のところに行って欲しい、もちろん他人に会うんだから気が乗らなければそれでも構わないよ」
「この家の本当の主って言ってたよね」
座椅子に座る昌希さんが自分の膝の上をポンポンと叩く。
膝に座れってことね。
なんだか、最近は私の定位置になりつつある。
背後から抱きしめられると安心する。
「そう、この家はもともと母方の祖母の家で祖父が亡くなったあと暫くは一人で住んでいたんだけど、海の見える場所で誰にも気兼ねなく暮らしたいと言って大磯のホームに入ったんだ。ただ、この家は祖父の思い出や母と伯父さんとの思い出もあるから残しておきたいってことで、無人にしておくと家の傷みが速くなるから俺が引っ越してきたって訳」
「だからか、キッチンにあるものがなんとなく懐かしい感じがしたんだ!」
「たしかに、鍋とか皿とかデカいし、使い道のわからない鍋も多数あるよな」
使い道のわからないというところがツボで笑ってしまった。
「蒸し鍋とか?」
「蒸し鍋って二段になってるやつか?」
「それ」
二人で笑うと気分がスッキリした。
せっかくだから、オンライン夕食をすることになり、茶の間のテーブルにはめんたいのり弁と茄子味噌炒め弁当とお茶を準備した。
『彩春さん大丈夫だった?怪我をしたって聞いたけど、てか、あんのメンヘラ女め』
こんな風に私の味方になってくれて怒ってくれる。我慢しなくていいんだ。
「うん、打撲とかすり傷だけだったから。でも、般若の面とか見たら思い出すかも」
『被害届をだすのか?』
「それなんだが、午前中に弁護士から連絡があって示談にして欲しいって」
『開業医だっけ?妻が犯罪者とかまずいもんな』
「ただ、彩春が許せないというなら被害届を出してきちんと償わせることも出来るよ」
彼女がした事、して来たことは許せないけど
「部屋をきちんと直してくれることと、彼女が二度と私たちの前に現れないと確約出来るなら示談でもかまわない、むしろ長引く方が嫌だし」
『えー、あの女、刑務所にぶち込んでやりなよ』
「正直に言うと、彼女に楽をさせたいと思わないんだけど、でもいいやって感じかな」
化粧をきちんとして綺麗にしていた人が、髪を振り乱して暴れるほど旦那さんや昌希に自分の存在を誇示したかったのかもしれない。
「でも、しっかりと払うものは払ってほしい」
全員が頷いた。
『マサも弁護士を立てるんだろ?』
「ああ、伯父の会社の顧問弁護士に話をして傷害やストーカーに強い弁護士を紹介してもらおうと思う。ただ、その前に向こうの旦那と話をするつもりだ」
「旦那さんと?」
「向こうの弁護士が、俺と彼女が不倫をしていての今回の状況になったと言ってきたから、奥さんのストーカーに悩まされていた事の証拠を警察に話すと伝えたら、掌を返してきたよ」
「『何それ!!!』」
希未さんと声がシンクロした。
「『なんか悔しい』」
またもやシンクロする。
『相馬さんと希未ってめちゃ相性がいいのな』
優さんの言葉にみんなで笑った。
リモート食事会が終わって、牛乳をたっぷり入れたコーヒーを二人で飲む。
「今度の日曜日だけど、用事がないなら一緒に祖母のところに行って欲しい、もちろん他人に会うんだから気が乗らなければそれでも構わないよ」
「この家の本当の主って言ってたよね」
座椅子に座る昌希さんが自分の膝の上をポンポンと叩く。
膝に座れってことね。
なんだか、最近は私の定位置になりつつある。
背後から抱きしめられると安心する。
「そう、この家はもともと母方の祖母の家で祖父が亡くなったあと暫くは一人で住んでいたんだけど、海の見える場所で誰にも気兼ねなく暮らしたいと言って大磯のホームに入ったんだ。ただ、この家は祖父の思い出や母と伯父さんとの思い出もあるから残しておきたいってことで、無人にしておくと家の傷みが速くなるから俺が引っ越してきたって訳」
「だからか、キッチンにあるものがなんとなく懐かしい感じがしたんだ!」
「たしかに、鍋とか皿とかデカいし、使い道のわからない鍋も多数あるよな」
使い道のわからないというところがツボで笑ってしまった。
「蒸し鍋とか?」
「蒸し鍋って二段になってるやつか?」
「それ」
二人で笑うと気分がスッキリした。



