彼がデキ婚するので家出をしたらイケメン上司に拾われました。

「昨日の状況だと、痴情のもつれ的に思われているだろうな。」

「そうだね、同棲中の彼女と浮気相手の女性って図式かも」

「朝一番で病院へ行くこと」

「でも、擦りむいただけだし」

「膝の皿にヒビが入っていたら困るし、診察してもえらるだけで俺が安心するのと、診断書ももらって来て欲しい、被害届を出す時の資料にもするから」

「わかった、病院へ行ってから出勤するね」

「休んでもいいんだぞ」

首を振って否定をする。

昨日のことで、逆ギレして来るかもしれないから一人でこの部屋にいるのは、まだ怖い。

「帰りは一緒に会社を出よう」

「でも」それだと、付き合っていることがバレてしまうかもしれない。
昌希さんはもうすぐ昇進するという噂もある。私が足を引っ張るのは嫌だ。

「大丈夫だよ、その事も彩春に聞いてもらいたいことがあるんだ。だから、なにも心配することはないよ、彩春は本当はどうしたい？」

昌希さんはニコニコと微笑みながら何故か私の唇の両端を片手で摘む。

「でも」というと、手に力を入れることで私の口は嘴のようになり、それ以上話をする事ができなくなったが、すぐに力を抜いてくれた。
正直に言うしかない。
「一緒に帰りたい」

「良くできました。そろそろ出かける準備をしようか。それから、今回の件は俺が全て窓口になるから」

「ありがとう」

「彩春がいう言葉じゃない、ごめんな。さあ、準備しておいで」
そういうと、昌希さんは背中をポンと押した。