彼がデキ婚するので家出をしたらイケメン上司に拾われました。

彩春から柑橘系の木とブルーベリーの木を植えたいと、ただそれは安定するまで5年以上かかると言われた。

5年後という言葉を彩春から聞いて、俺は腹を括った。もし、ここで断られたとしても同居人として誠意を尽くそう。だが、俺を受け入れてくれるなら、毎年成る柑橘やブルーベリーのジャムを一生、彩春と食べたいと思った。

「もう俺は、我慢したり遠慮したりしてチャンスを逃したくない。俺は相馬が好きだし、元婚約者を忘れるために都合よく使ってくれて構わない。相馬が俺のことを恋愛対象に見てくれるまで待ってもいい」

「狡い」

そうだ、俺は彩春に意識してもらうために近づいて囲い込んだ

「ああ、だから俺は狡い男だって言ったろ」

どうか、俺を拒まないでほしい。

「好きにならないわけ無いじゃない」

思わず、彩春に口付けた。
絶対に離さない、このまま抱いてしまいたいと思った時、彩春のお腹が鳴った。
こういうところも可愛くて愛おしい。

そしてその夜、ようやく彩春を手に入れた。

朝、目が覚めると腕の中にいる彩春がいろんな表情をしていた。何かまた“やらなきゃ”とか思っているんだろう。
“やらなくてもいい”時もある、それを教えてあげたい。
俺は彩春を甘えさせたい。

休日には二人でホームセンターへ行き、甘夏とブルーベリーの苗木とチューリップの球根そして野菜の種を購入して二人で植えた。
家庭菜園とか今まで考えたことも無かったが、二人で決めて植えていくのは楽しい、ずっとこんな時間を持てるといいと思った。

さらに、希未達とオンライン飲み会をやったりと幸せな時間が流れていた。