美里が病院の医師と結婚して、フリーになった俺は彩春への諦めていた気持ちを育てることにしたが、誘う為の口実が見つからないまま彩春に恋人ができたことを知った。
再度、気持ちを仕舞い込むことになった。
そんな時、祖母が施設に入ることになった。
一緒に暮らしてもよかったが、自分が仕事中に何かあった場合にすぐに対応することができない為、設備の揃った施設に入所することになり、祖父との思い出の家を処分したくはないから管理をしてほしいと言われて、住んでいたマンションを出て、祖母の戸建てに引っ越しをした、それを機に妹夫婦が俺のマンションを安く借りたいと言うことで、どちらにしても賃貸に出す予定だったから了承した。
日々に忙殺されていたある日、美里から連絡がきた。
「久しぶり」
俺にはそれしか美里にかける言葉は無い。
「あのね、会えないかな」
「会うつもりはない」
「どうして、そんなに冷たいの」
「優しくする必要がないから」
「あの人にモラハラを受けてるの」
返事をする必要もないから、何も言わなかった。
「ねえ、相談にのってほしいの」
「俺は、君に会う気はサラサラない。そういう話ならもう切るから」
そう言って、電話を切るとすぐにまた掛けてきたが、出なかった。
数日後、また電話があった。
思わず出てしまい、しまったと思ったが後の祭りだ。
「昌希、お願い助けて」
「俺がきみを助けることはないし、その義務もない」
「私、どうになかなりそう。あの人、浮気してるの。私が事務を辞めた後に雇った子と今も一緒にいるの、ねえ、お願い会って」
「俺に会ってどうするわけ」
「昔みたいに抱きしめて」
「君は俺に不倫の片棒を担がせようと思ってるわけ?」
「そんな、でもあの人、浮気をしているくせにモラハラもすごくて、毎日私のことを否定するの。もう、どうにかなりそうなの。本当は、今でも昌希が好き」
「これは、君が選んだ結果だろ」
「昌希が距離を置くなんて言ったから」
「だから、男と浮気して"いて"そのままその人と結婚したと言うことか」
「え?」
「君が会社に押しかけてきて、会社の人達に迷惑がかかるほどだった。だから、すこし冷静になって欲しかった」
「だって、不安だったから」
「君は俺に不誠実だったけど、俺が君に対して不誠実だったことはある?あの時も、そう言う意味と気持ちを整理するつもりで距離を置こうと言ったけど一ヶ月ほど経って、君に会いに病院へ向かう途中で君が男性と腕を組んで歩いている姿を見かけたんだ」
『あの時、寂しくて。一(はじめ)さんに誘われて、それで』
「別に責めてはいないよ。君は俺ではなく彼を選んだ。それだけだ。だから今、君が向かい合わないといけないのは旦那さんだけだよ、間違えても俺じゃない」
『違う、ごめんなさい。後悔してるの、結婚してもずっと昌希だけを愛してたの』
「君は一介の会社員の妻と開業医の妻を天秤にかけて開業医の妻を選んだ。それが真実だろ」
『でも私、焦ってたの』
「俺は君にとは二度と会うつもりはない、連絡もしないでくれ」
俺は通話を切るとブロックした。
再度、気持ちを仕舞い込むことになった。
そんな時、祖母が施設に入ることになった。
一緒に暮らしてもよかったが、自分が仕事中に何かあった場合にすぐに対応することができない為、設備の揃った施設に入所することになり、祖父との思い出の家を処分したくはないから管理をしてほしいと言われて、住んでいたマンションを出て、祖母の戸建てに引っ越しをした、それを機に妹夫婦が俺のマンションを安く借りたいと言うことで、どちらにしても賃貸に出す予定だったから了承した。
日々に忙殺されていたある日、美里から連絡がきた。
「久しぶり」
俺にはそれしか美里にかける言葉は無い。
「あのね、会えないかな」
「会うつもりはない」
「どうして、そんなに冷たいの」
「優しくする必要がないから」
「あの人にモラハラを受けてるの」
返事をする必要もないから、何も言わなかった。
「ねえ、相談にのってほしいの」
「俺は、君に会う気はサラサラない。そういう話ならもう切るから」
そう言って、電話を切るとすぐにまた掛けてきたが、出なかった。
数日後、また電話があった。
思わず出てしまい、しまったと思ったが後の祭りだ。
「昌希、お願い助けて」
「俺がきみを助けることはないし、その義務もない」
「私、どうになかなりそう。あの人、浮気してるの。私が事務を辞めた後に雇った子と今も一緒にいるの、ねえ、お願い会って」
「俺に会ってどうするわけ」
「昔みたいに抱きしめて」
「君は俺に不倫の片棒を担がせようと思ってるわけ?」
「そんな、でもあの人、浮気をしているくせにモラハラもすごくて、毎日私のことを否定するの。もう、どうにかなりそうなの。本当は、今でも昌希が好き」
「これは、君が選んだ結果だろ」
「昌希が距離を置くなんて言ったから」
「だから、男と浮気して"いて"そのままその人と結婚したと言うことか」
「え?」
「君が会社に押しかけてきて、会社の人達に迷惑がかかるほどだった。だから、すこし冷静になって欲しかった」
「だって、不安だったから」
「君は俺に不誠実だったけど、俺が君に対して不誠実だったことはある?あの時も、そう言う意味と気持ちを整理するつもりで距離を置こうと言ったけど一ヶ月ほど経って、君に会いに病院へ向かう途中で君が男性と腕を組んで歩いている姿を見かけたんだ」
『あの時、寂しくて。一(はじめ)さんに誘われて、それで』
「別に責めてはいないよ。君は俺ではなく彼を選んだ。それだけだ。だから今、君が向かい合わないといけないのは旦那さんだけだよ、間違えても俺じゃない」
『違う、ごめんなさい。後悔してるの、結婚してもずっと昌希だけを愛してたの』
「君は一介の会社員の妻と開業医の妻を天秤にかけて開業医の妻を選んだ。それが真実だろ」
『でも私、焦ってたの』
「俺は君にとは二度と会うつもりはない、連絡もしないでくれ」
俺は通話を切るとブロックした。



