彼がデキ婚するので家出をしたらイケメン上司に拾われました。

美里と知り合ったのは、課長に昇進する2年前のこと、とある病院のシステム構築を担当することになり、美里はその病院の受付をしていた。
導入時やメンテナンスで行った時に話をするようになったが、俺にとっては取引先の人という感覚だった、会社のSNSから偶然俺のアカウントを見つけたと言ってフォローをしてくれたことでメッセでのやりとりをしていくうちに、映画の趣味が同じということで一緒に見にいって告白をされた。

嫌いではなかったし、話も合うから付き合うのもいいかもしれないと付き合い始めた。
美里は俺よりも3歳年上でそのことをしきりに気にしているようだった。
最初からそれを承知で交際をしているから、俺は何とも思っていなかったが、美里は違っていた。
課長に昇進して、部下からの仕事上の電話にも目くじらを立て、挙句の果てには差し入れと称して会社にちょくちょく顔を出すようになり、女子社員に失礼な事を言うことがあり会社にくる事を禁止した。
そんなことは社会人として当然のことのはずなのに、美里はそいういう分別が曖昧な人間だった。

異常な量のラインのメッセージや着信に疲れていて耐えられなくなった俺は少しの間、冷却期間を置こうと伝えた。

一ヶ月ほど経って、美里に会うために会社の帰りに病院へ向かう途中、美里が男と腕を組んで歩いているのを見かけた。

正直に言うと、ほっとした。

そしてさらに一ヶ月後、美里から披露宴の招待状が届いた。
出席に二重線を引いたハガキを投函して俺と美里の物語は終わった。

はずだった