「相馬くん」

振り返ると息を切らせた出雲先生がいた。

「どうしたんですか?」

「もう少し相馬くんの話を聞きたいと思って」

息を切らせて追いかけてきてくれた事が嬉しかった。今までも、男の子に誘われたりすることもあったが、女友達は彼氏ができると彼が中心になっていて私と遊んでくれなくなったから誰かと付き合ったらその人だけになるのが嫌だった。
先生は私のことをわかってくれたし、もっと話をしたいと思ったから先生と二人で並んで歩き出した。
大学のことや授業のことを話しながら歩いていると先生が私の肩を抱いて「ここでいいかな?」と言われて目線の先をみるとラブホテルの入り口だった。
もっと一緒にいたかったから頷いたら、先生は慣れた手つきで受付を済ませて部屋に入った。

間接照明にもかかわらず、部屋の調度品がキラキラと輝いていて奥には大きなベッドが置かれていた。

私がキョロキョロと見回していると先生は、私を抱きしめてキスをした。
キスくらいは何度かした事があったけど、こんなに気持ちのいいキスは初めてだった。

「あの、こういうところに来るのも、その、す、するのも初めてなんです」

恥ずかしくて先生の顔を見ることができなくて下を向きながら話すと、強く抱きしめてくれた。

「そう、それならわたしにすべて任せてくれればいいから。まずはシャワーを浴びておいで、それとも一緒に入ろうか?」

「大丈夫です、一人で入ってきます」

もう一度、蕩けるようなキスをしてくれて耳元で「行っておいで」と言われて、何も考えられず浴室に行くと広くて綺麗でそして、これから起こることに、まるで自分がドラマのヒロインになった様な気がした。

「やっぱり、一緒に入ろう」

ボディーソープで体を洗っていると先生も裸で入ってきた。

「え、あの恥ずかしいです」

「相馬くんは初めてだから、洗いながらたくさんほぐしてあげないといけないから」

先生に任せておけば大丈夫なんだ。

浴室では、恥ずかしいけどすごく気持ちのいいことをたくさんしてくれて、たくさんの気持ちのいい言葉をくれた。

ただ、ベッドに行くと苦しくて痛くて泣きそうになったけど先生がすごく気持ちよさそうだった。
「さっきは、たくさん相馬くんが気持ちよかたでしょ、今度はわたしを気持ちよくさせて、辛くてもがんばって」

最後まで苦しかったけど、先生の言葉で我慢することができた。

シーツについた血液を見て「がんばったね」と言って頭を撫でてくれた。

「この事は相馬くんとわたしの二人の秘密だよ」
そう言って、タクシーを拾ってくれてタクシー代を渡してくれた。

先生のラインのIDも教えてくれて恋人になる事ができた。

初めて、彼氏がいる友達の気持ちがわかった。
私の世界に先生だけでいいと思った。