身体中がだるい。
先週は怒涛の日々だった。
土日は特に精神をすり減らした。
それもあるけど

すごかった。
何がって
昌希さんの身体!
胸筋が硬いし腹筋が割れていた。
そして今、そのカッチカッチの身体に抱きしめられて朝を迎えている。

そろそろ、朝食作らなきゃ。

腕の中から抜け出そうとするもガッチリとホールドされていて抜け出せそうもないがそれ以上に身体がだるくてもう少しこのままでいたい気持ちもある。

でも,ダメダメ。
一度楽をしちゃうとズルズルとしてしまいそうになる。

「彩春おはよう、さっきから一人で百面相してるけど」

慌てて手で顔を撫でて確認する。

「おはよう、あの、朝食作らないと」

昌希さんは抱きしめる腕に力を込めたため胸筋に顔がガッツリとくっついた。

あっ、気持ちがいい。
じゃなくて。

「疲れているでしょ。だったらもう少し二人でダラダラして駅でモーニングを食べてから行けばいい」

「でも」

「彩春はもっと、楽をしてもいいし、甘えてくれていい。いや、俺がどっろどっろに甘やかすから、俺を頼ってそして甘えてほしい」

髪を優しく梳きながら頭の上から響く昌希さんの声は甘くて溶けてしまいそうだ。

「甘え方がわからないかも、今迄は甘えちゃいけない、しっかりしないといけないってそればかりだったから」

「だったら、今から甘える方法を俺が教えてやるから」

「甘え方?」

私の髪を撫でていた指で耳を触ると
「朝はおサボりしてギリギリまでまったりしよ」って、言ってみてとか言い出した。

「ほら」

えー!28歳にもなってそんな事、てか何の罰ゲーム

「言わないと今から襲うぞ」

それは本当に無理!

「あ・・あさは、おおさぼり?してぎりぎりまでまったりしたい?」

昌希は「最高だ」と言うと私を抱きしめると仰向けになった。つまり、私は仰向けになった昌希の上にのっている形になった。

「重くない?」

「けっこう鍛えてるからね、大丈夫」

昌希さんと接する肌が多くなりあたたかくて心臓が刻むリズムが心地いい。

「確かに、スポーツをしてるの」

「体力づくりのために、週に1〜2回会社帰りにジムに行ってたんだけど先週は行けなかったな」

「それって、私のせい」

「でも、行けない時でもアレで寝る前とか腹筋しているから」

指をさした方をみると、腹筋用のベンチが置いてあった。

「流石にもう起きるしかないな」

「うん」