奥様との会話が衝撃すぎて怒りを通り越して呆れてしまった。
奥様は善良でそして強い女性かもしれない、それに対してfumiという女も朱夏も出雲喜郎もとても悪質な人間だ。
悠也から別れ話を告げられてからメンタルを削られることばかりだ。
世の中にはどれほどの悪意が溢れているんだろう。自分の人生においての悪は父であり、父の愛人だった田沼英子くらいだった。

少し脱力しながら駐車場を目指して歩く。
諏訪さんがそこに居てくれる、そのことが今、私にとっての光だ。
諏訪さんが私に気がつくと駆け寄って抱きしめてくれた。

甘えていいのかな

「ご苦労様」
そいういって背中をポンポンと優しく叩いてから肩を抱いて車まで歩くと助手席のドアを開けてくれた。

「駅前にファミレスがあることを奥様に教えてもらったので明日、出雲喜郎を呼び出して話をしようと思います」

「分かった、じゃあ明日は相馬と妹さんを連れてくればいいんだね」

「え？でも、明日は日曜日だし出かけないんですか？」

「今週は出かけない。予定があるのは第二日曜日だけだから」

第二日曜日は毎月予定があるってことなんだ。
誰かと会ってるんだろうか？ちょっと胸が苦しい。

「まずは駅前に行って見た方がいいね」

諏訪さんはカーナビに駅名を入れると車を発進させた。