カーナビでは家を確定出来なかった為、電信柱についている住所表示を確認しながら車を徐行させると見覚えのある住宅街に出た。
fumiのSNSにあった写真をスマホに表示させて確認すると、景色が完全に一致する場所に来た。

「写真が撮られたのはこの辺りだと思う」

「と言うことは右にIZUMO宅があると言うことだな」

そう言われて右を確認すると家があった。

「地図からすると少し先にコインパーキングがあるはずだから、そこに停めておこう」

「fumiさんって、ストーカー気味なのかしら?」

「ほぼIZUMO宅の前で写真を撮ったことになるからな、わざわざ来たと言うところに執着を感じるよ」

大学のホームページで写真を見たけど、朱夏もだけどfumiがそこまで恋焦がれるような人物には見えなかった。生徒に手を出すということを知っているからか、軽薄そうに見えたんだけど。
どこに魅力があるんだろう?
見つけたコインパーキングはもとは戸建てがあった跡らしく4台しか駐車スペースが無い。
それでも、運よく1台分の空きがあったので駐車をすることができた。

「家の前まで行こうか?」

顔を左右に振って否定を示す。
「ただでさえ浮気相手の姉とかありえない人間が訪問してくるんです、これ以上の負担を与えたくないというか」

諏訪さんは優しく微笑みながら肩をポンと叩いた。
「行っておいで、俺はここで待っているから」