悔しい、悔しい、悔しい
いくら言っても足りなくらい100億個の悔しい!

腹が立ち過ぎて過呼吸気味になりながら諏訪さんとの待ち合わせの公園に行くと諏訪さんは運転席で電話中で、車に乗っていいのか迷っていると私に気づいてスマホを内ポケットに入れると内側から助手席のドアを開けてくれた。

「電話いいんですか?」

「ああ、特に必要な内容ではないから。それよりも、どうだった?」

自宅に着くまでの間、先ほど聞いた話をした。

「それで、相馬はどうするつもりだ?」

「何とか、出雲の奥さんに会いたいんですが、住んでいるところがわかればいいんだけど」

「出雲さんて研究室を持ってるということは教授が准教授という可能性があるから案外調べられるかも」

「そうなんですか?」

「まずは家に入ろう」

気がつくと家の前に着いていて車は敷地内の駐車スペースにバックで入っていくところだった。

「じゃあ、着替えたらミーティングルームに集合だ」

「ミーティングルーム?」

「茶の間だ」
そう言うと笑いながら諏訪さんのプライベートルームに消えていった。


スーツのままって帰宅してすぐに来てくれたんだろうか。どれくらい待ってくれていたんだろう。
こんなの、惚れるなって言う方が難しい。
好きになってもいいのかな?