「朱夏と話をしてみる」

「うん、それがいいね。相馬が前を向くために話をしたほうがいい。彼は相馬を裏切ったわけではないことがわかったしやり直すこともできるんじゃないか」

ズキンと胸が軋む。

悠也は一線を超えたわけじゃないだけど、恋人がいることを隠して合コンに行った。
朱夏が1番悪い、だけど悠也を今までのように思う事はもう無理だ。
人の心ってこんなにも変わってしまうんだろうか？
私が父の子供だから、心変わりをしやすい？
でも言えることは
「やり直しは難しい」

「すぐに結論を出す必要はないと思うぞ」

「うん」

悠也に聞いた話をしている間、ずっと諏訪さんに背後から抱きしめられていたことに今更ながら恥ずかしいと思っていたら、盛大にお腹が鳴ってしまった。

「インスタントラーメンくらいなら作れるけど？」

「食べたいです」

「じゃあ、まずは着替えてこい」

「醤油味がいいです」

諏訪さんは笑いながら了解だと答えた。