「美味いな」
昨日決めたように今朝から私が食事をつくることにした。
豆腐と長ネギの味噌汁。もちろん、出汁はちゃんととってある。春菊のおひたし、お高い卵はそのまま卵かけご飯用にして白菜は細ぎりにして一夜漬けにしたものと魚肉ソーセージと一緒にポン酢で炒めたものを作った。そう、昨夜のすき焼きで使いきれなかった材料を使ったメニューだ。
母は清掃会社でパートとして働いているが時間が早かったり逆に深夜になったりする為、必然的に食事の支度は私が担うようになった。
「昨日の材料が結構残ったから」
「味噌汁も同じ鍋を使っても別物になるんだな」
えっ?何それ?その発想!
「か、諏訪さん?それだと同じ鍋を持ってる人が同じ味になると思ってたとか?」
諏訪さんは今更ながら自分の言葉がおかしい事に気がついたみたいに爆笑した。
「諏訪さんって会社での姿しか知らなかったから」
「幻滅した?」
ニッコリと微笑む姿は、会社でのクールなイケメンと違って爽やかイケメンだ。
反則すぎる
「いえ、ギャップの凄さに戸惑っているだけです」
その後は当たり障りのない会話をしながら食事をした。
「じゃあ、俺は出かけるから楽にしてくれていいよ。ここは相馬の家でもあるんだから」
「ありがとうございます。行ってらっしゃい」
諏訪さんは玄関の引き戸を開けると一旦振り返って微笑むと「こういうの、いいね」と言ってから出ていった。
何がいいんだろう?
閉められた戸をぼんやりと見つめていると車のエンジン音がゆっくりと遠ざかっていった。
キッチンに戻るとおかかのおにぎりを二つ握って皿に置いてラップをかける。
ペットボトルのお茶を持って軍手をはめると庭に出た。
昨日決めたように今朝から私が食事をつくることにした。
豆腐と長ネギの味噌汁。もちろん、出汁はちゃんととってある。春菊のおひたし、お高い卵はそのまま卵かけご飯用にして白菜は細ぎりにして一夜漬けにしたものと魚肉ソーセージと一緒にポン酢で炒めたものを作った。そう、昨夜のすき焼きで使いきれなかった材料を使ったメニューだ。
母は清掃会社でパートとして働いているが時間が早かったり逆に深夜になったりする為、必然的に食事の支度は私が担うようになった。
「昨日の材料が結構残ったから」
「味噌汁も同じ鍋を使っても別物になるんだな」
えっ?何それ?その発想!
「か、諏訪さん?それだと同じ鍋を持ってる人が同じ味になると思ってたとか?」
諏訪さんは今更ながら自分の言葉がおかしい事に気がついたみたいに爆笑した。
「諏訪さんって会社での姿しか知らなかったから」
「幻滅した?」
ニッコリと微笑む姿は、会社でのクールなイケメンと違って爽やかイケメンだ。
反則すぎる
「いえ、ギャップの凄さに戸惑っているだけです」
その後は当たり障りのない会話をしながら食事をした。
「じゃあ、俺は出かけるから楽にしてくれていいよ。ここは相馬の家でもあるんだから」
「ありがとうございます。行ってらっしゃい」
諏訪さんは玄関の引き戸を開けると一旦振り返って微笑むと「こういうの、いいね」と言ってから出ていった。
何がいいんだろう?
閉められた戸をぼんやりと見つめていると車のエンジン音がゆっくりと遠ざかっていった。
キッチンに戻るとおかかのおにぎりを二つ握って皿に置いてラップをかける。
ペットボトルのお茶を持って軍手をはめると庭に出た。



