ベッドの上、昌希さんの腕の中で髪を撫でられている、猫の気持ちがわかる気がする。

「やきもち焼いた?」

今更、自分の行動が恥ずかしくなって昌希さんの胸に顔を埋める。
どんどん自分が欲張りになっているのがわかる。

「彩春がやきもちを焼くとエロくなることがわかったことが今日の1番の収穫だな」

「いじわる」

「好きな子はイジメたいタチなんだ」

「じゃあ、もっとイジメて欲しいかも」

「俺の自制心にも限度があるから、発言には気をつけて」

思わず笑ってしまった。

「彩春はお父さんと田沼から謝罪を受けたい?」

「許す気は無いけど、父さんからはケジメとして謝罪は欲しい。田沼さんからは慰謝料を貰いたい。泣き寝入りはしたくない」

「分かった」
「この話はここまでで、明日デートしないか」

顔を上げると目線は昌希さんの顎の辺りになるため上目遣いになる。
「デート、行きたい!」

「あざといな、可愛過ぎてヤバい。もう今日はベッドから出たくないし、出したくない」

「明日、どこに行くの?」

「秘密」

「いじわる」
昌希さんの脇をくすぐると逆に両脇をくすぐられベッドの中で二人で笑いながら戯れる。
やっぱり、猫の気持ちがわかるかも。