19歳になる春、
あなたに出会った。
19歳の夏、
何故かふたりで学校の周りを散歩した。
19歳の秋、
焼き芋が食べたくてトラックを探し回った。
19歳の冬、
暖かくないカイロを押し付けあった。


20歳になる春、
はじめてお酒を飲んだ。
20歳の夏、
なんとなく手を繋いで帰った。
20歳の秋、
たぶん好きだよ、って言われた。
20歳の冬、
この人といる時間が一番幸せだと感じた。


21歳になる春、
風邪をひいて寝込むあなたの看病をした。
21歳の夏、
喧嘩して2週間一切口を利かなかった。
21歳の秋、
気づいたら好きなものが似てきた。
21歳の冬、
忙しくて会える時間が減った。


22歳になる春、
はじめて2人で旅行に行った。
22歳の夏、
やることがないからと毎日一緒にいた。
22歳の秋、
学生最後だからと、たくさん遊んでいた。
22歳の冬、
あなたがその花を誰にもらったのか、
私は知らないまま。








22歳が終わる春、


​「もう、泣くなよ」

「……そっちこそ、そんな顔しないでよ」