隣の席に座るヤンキー男子の癖は甘噛みです



 茶髪から黒髪に。

 そして、ピアスを外した若林くんの姿があった。


「私が帰った後、美容室でお姉さんに……」


 ヤンキーの面影はなく、すっかりイケメン男子に変貌してる。

 遅刻もせずに、爽やかな笑顔を私に向けていた。


 まじめに学校生活を過ごせないのなら、今度は退学だ。

 と生徒指導の先生に言われて、この姿が彼なりの答えなんだね。


「おはようございます、若林くん……」


 小声でも、私は顔を上げて目を見つめながら挨拶をする。

 私の姿を見て、彼も笑顔になった。


「やっぱり、お前カワイイぜ」


「あはは、そうでしょうか……」


 頬を赤くして、照れ顔を見せる私に向かって若林くんが言ってきた。


「俺、お前のことが好きみたいだ」


「はい、私もです……」


 クラスメイトに周りを取り囲まれてる状況で、お互いに告白って……



 その場の雰囲気に助けられて


 私たちは、両思いになった……







 ~fin~