「アオイくんはさ、もうちょっと自覚した方がいいかもね。自分の置かれてる状況を」

 ポンと頭を撫でられて、首が沈む。

 前から思っていたけど、琥珀さんがわたしに対してする仕草って少し違和感がある。


「いくら男の子でも、ウソツキ赤ずきんは、いつか食べられちゃうかもよ?」

「えっ?」

 おもむろに見上げた視線が絡まった。
 キレイな琥珀色の瞳が、キュッと細くなって。


「オオカミたちに、ね」


 他の人たちとは違う。
 なんとなく、椿くんと似ているようなーー。