「…で、ここがこうなるので、Xは3となり…」


 1時間目は数学だった。


 前で先生が授業をしているが、全然頭に入ってこない。頭痛もする。


 …あぁ、絶対寝不足だからだ。


 ちらりと時計を見ると、授業が終わるまであと30分以上ある。


 …どうしよう。


 そう迷っている間にも、頭の痛みは増していく。


「よし、じゃあこの問題を…早川」


 うそでしょ?なんでこんな時に当たるの。


 でも当てられた以上、無視もできなくて。


 力を振り絞って立ち上がろうとした。…が。

 
 ガラララッ!ドタッ!


 立ち上がった瞬間に、痛みが最高潮に達し、私は思わず倒れ込んでしまった。


「え、は、早川!?」


 先生の驚いた声が聞こえる。


 私はあまりの痛さに気を失ってしまった。