「ついに最後だね…!」


 隣でアイカちゃんが言った。彼女のハチマキに目を移すと、"佐藤カズマ"と書いてあった。


「うん…!」


 運動場に緊張感が走る。そしてついにスタートの合図が鳴った。


 パァンッ!


 赤、ピンク、白、青の選手が一斉に走り出す。


 ライトくんとカズマくんのいる白は2位。


 次々にバトンが渡る。白と赤が1位を争う。


「あっ!」


 白が転んでしまい、一気に最下位に落ちた。


 やばい…!


 そして最下位のまま、アンカーのライトくんにバトンが渡った。


「ラ、ライトくん、頑張れぇー!」


 するとライトくんは1人、また1人と抜かしていき、ついには1位となってゴールテープを切った。


『優勝は…脅威の3人抜きをした白チーム!』


 一気に会場が盛り上がる。白チームの選手たちも、ライトくんを囲んで喜んでいた。


「え、ちょ、サキ!ライト!」


 アイカちゃんの声で前を向くと、ライトくんがこちらに走ってきていた。


「え、ラ、ライトくん!?」


 するとライトくんは、私の額に1つキスを落とした。


「…さっきのお返し」


 私の顔がこれまでになく真っ赤になったことは、言うまでもない。


 やっぱり、キミは、私の太陽なんだ。